ファミリー・家族世帯における電気代の節約ポイント
家族世帯にとって、毎月の電気代は家計を圧迫する大きな固定費の一つです。特に、リモートワークや子どもの成長に伴い電力消費が増える家庭では、電気代の見直しが節約の第一歩となります。
しかし、多くの家庭では「どの電力会社が自分たちに一番合っているのか?」という疑問を抱えているのではないでしょうか。
本記事では、家族世帯が電力会社を選ぶ際に知っておきたいポイントや、具体的におすすめの電力会社をランキング形式でご紹介します。
電気代を効率よく節約し、家族みんなで安心して暮らせる環境を整えるための参考にしてください。
ファミリー・家族世帯の電力会社選びのポイント
家族が多い家庭や在宅時間が長い家庭では、電力使用量が多くなりがちです。そのため、一般的な家庭向けプランでは電気代が割高になる場合がありますよね。
使用量に応じた最適なプランを選ぶことで、年間の電気代を大幅に削減することが可能です。
ここでは、使用電力量が多い家庭にとって特に重要なポイントを挙げ、どのようなプランが最適なのかをご紹介します。
(1)従量料金の単価に注目する
下記の図は、電気料金の内訳を図にしたものです。
毎月支払っている電気料金は、一見するとわかりづらいかもしれませんが、実は「基本料金」「電力量料金」「燃料費調整額」「再生可能エネルギー発電促進賦課金」など、いくつかの要素が組み合わさって決まっています。たとえば、契約しているアンペア数や容量に応じて定額で発生する「基本料金」には、安定した電力供給に必要な設備の維持コストやサービス提供費用が含まれています。
一方、使った電力の量に応じて変動する「電力量料金」は、家庭やオフィスの使用量が多いほど高くなり、省エネ意識を高めるきっかけにもなっています。また、「燃料費調整額」は原油や天然ガスなどの国際的な価格変動を電気料金に反映させる仕組みで、さらに日本国内での再生可能エネルギーの普及を支えるために「再エネ発電賦課金」も加算されています。
ここでは、まず従量料金を見てみましょう。
使用電力量料金(従量料金)が電気代の大部分を占めるため、単価が安いプランを選ぶことが重要
電気代は、主に「基本料金」と「従量料金」で構成されています。このうち、特に家庭の電気代に大きな影響を与えるのが従量料金です。従量料金とは、使用した電力量(kWh)に応じて発生する費用で、電力使用量が増えるほど比例して高くなります。
使用量が増えるほど単価が上がるプランより、単価が一律、もしくは、料金単価が一定のプラン
多くの電力会社では使用量に応じて単価が変わる「段階別料金制」を採用していますが、電力プランの中には、段階別料金制が2段階のみ、もしくは単価を一定にする、使用量が多いほど単価が下がるプランなどもあります。
プランの種類 | 特徴 | 提供している電力会社の例 |
段階別料金制プラン | 使用量が増えるほど1kWhあたりの単価が高くなる料金体系。一般的なプランは3段階に分けて単価が異なります。 | - 東京電力エナジーパートナー:従量電灯B - 関西電力:従量電灯 - 中部電力ミライズ:従量電灯A - 九州電力:従量電灯 - 東北電力:従量電灯A |
時間帯別料金プラン | 夜間や早朝などオフピーク時の料金が安く、昼間や夕方のピーク時は料金が高めになる。オール電化専用のプランに多い。 | - 東京電力エナジーパートナー:夜トクプラン - 関西電力:時間帯別電灯 - 中部電力ミライズ:おとくプラン - 東北電力:よりそう+ナイト12 - 北海道電力:eタイム3(3時間帯別電灯) |
市場連動型料金プラン | 電力の料金単価が 電力市場の取引価格(卸電力市場の価格) に連動して変動する電気料金プランで、電気を使う時間帯に注意することで、料金を抑えることができる。 | - Looopでんき:スマートタイムONE - リボンエナジー:リボングリーン - TERASELでんき:マーケット東京B/マーケットあんしん東京B |
一律料金プラン | 使用量に関係なく1kWhあたりの単価が一定。 | -四つ葉電力 ほっと5.0安心プラン -アルカナエナジー アルカナ おうちでんき |
(2)基本料金の設定を確認する
基本料金は、契約している電力プランにおいて、電力使用量に関係なく毎月一定額を支払う費用のことです。この料金は、電気を使わない月でも発生します。基本料金は、電力供給に必要な設備やサービスを維持するためのコストに充てられています。
基本料金は、契約しているアンペア数(A)または容量(kVA)によって異なり、アンペア数が大きいほど、多くの電力を同時に使用できるます。
皆さんのご家庭は何Aで契約されていますか?下記に、一般的な、東京電力エナジーパートナーの「従量電灯B」プラン 基本料金を見てみましょう。
例:東京電力エナジーパートナーの「従量電灯B」プラン 基本料金
契約アンペア数 | 基本料金(税込) |
10A | 311円75銭 |
15A | 467円63銭 |
20A | 623円50銭 |
30A | 935円25銭 |
40A | 1,247円00銭 |
50A | 1,558円75銭 |
60A | 1,870円50銭 |
例:東京電力エナジーパートナーの「従量電灯B」プラン(従量料金)は、月間の使用電力量に応じて3段階の料金単価が適用されます。
使用電力量 | 料金単価(税込) |
最初の120kWhまで | 1kWhあたり29円80銭 |
120kWhを超え300kWhまで | 1kWhあたり36円40銭 |
300kWhを超える部分 | 1kWhあたり40円49銭 |
基本料金0円プラン
基本料金0円プランは、月々の基本料金を完全に0円に設定し、使用量に応じた従量料金だけを支払う電力料金プランです。電気料金の計算がシンプルで、特に電気使用量が多い家庭にとってお得な選択肢となります。
以下に、簡単に基本料金0円プランのメリットをご紹介します。
ココがポイント
基本料金 0円プランのメリット
- 電気使用量が多い場合は料金を節約しやすい:従来のプランでかかっていた基本料金が不要になり、毎月約1,000〜2,000円の節約が可能となります。
- 契約アンペア数を気にしなくていい:アンペア数による料金の変動がないので、時々ブレーカーが落ちるので家電の同時利用をセーブしている家庭にはメリットになります。
- 料金の予測がしやすい:基本料金という固定費がないため、使用量に応じた料金変動が明確でシンプルな料金体系により月々の電気代の予測が容易になります。

基本料金0円プランは、電気を多く使う家庭ほど契約アンペア数に応じた固定費を削減しつつ、家電の同時利用なんかも気にしなくていいことはいいね!このプランがぴったり合う家庭にとってはありがたい!
(3)燃料費調整額の有無を確認する
電気料金を比較するとき、基本料金や従量料金(使用量に応じた料金)に注目しがちですが、意外と見落とされるのが「燃料費調整額」。
燃料費調整額は、電力会社が発電に使用する燃料(LNG、石炭、石油など)の価格変動を電気料金に反映させる仕組みで、燃料価格が変動するたびに電気料金を変更するのは難しいため、燃料価格の上下に応じて「燃料費調整額」として電気料金を増減させています。過去2~3カ月の燃料価格の平均を基に燃料費調整額を算出するため、この期間に燃料価格が急変動しても、電気料金に反映されるまでに少しタイムラグがあります。月々の電気代もプラスになることもあれば、マイナス(値引き)になることがあるのが、この燃料費調整額です。
燃料費調整額は、燃料価格の変動に応じて毎月の電気料金にプラスまたはマイナスで調整される金額なので、この調整額が高い電力会社を選ぶと、想定していた電気代よりも割高になるケースもあります。
電気料金を比較する際は基本料金や従量料金だけでなく、燃料費調整額も必ずチェックすることが重要です。
電力会社によっては燃料費調整額が0円としているプランもありますが、燃料価格が変動しても調整がないということは、基本料金や従量料金に事前に組み込んで燃料価格が上昇しても吸収できるような料金設計をしていることで、シンプルな料金体系を構築しています。
燃料調整費が0円ということは、上がった場合でも0円のままですが、燃料価格が下がったときでもマイナスにならず価格は0円のままとうシンプルな料金体系です。
近年の燃料価格について調べてみると、2024年は、燃料価格の安定化と円高傾向により、燃料費調整額は比較的低い水準で推移していて、東京電力の2024年は、燃料費調整単価はマイナス調整となっています。
このように、燃料費調整額は国際的な燃料価格の動向や為替レート、政府の政策などの影響を受けて大きく変動しているので、今後も世界情勢や経済状況によって変動する可能性があるため、継続的な注視が必要です。
(4)セット割引を活用する
毎月の電気代、ガス代、インターネット代を少しでも抑えたいと考えている家庭は多いはず。そんな方におすすめなのが、電力会社が提供するセット割引プランです。
電気とガス、スマホ、インターネットなど、複数のサービスをまとめて契約することで、家計全体のコストを大幅に削減できる可能性があります。
下記に電力会社が提供しているセット割引の例を表にしましたので参考にしてください。
いろいろなセット割引例
電力会社名 | セット割引の詳細 | 提供エリア | 追加特典 |
東京ガス | 電気料金の基本料金および電力量料金の合計から毎月0.5%割引。新規申し込みで基本料金1ヶ月無料。 | 東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県 | パッチョポイントプログラムによるポイント還元。 |
ソフトバンク | スマホ月額料金が毎月550円~1,100円割引。最大10回線まで適用可能。 | 全国 | 家族のスマホやタブレットの料金も割引対象。 |
大阪ガス | 月額209円の割引(ベイコムサービス利用者向け)およびガス料金の3%割引(電気とセット契約時) | 関西エリア | キャッシュバックやインターネットサービスの割引 |
CDエナジーダイレクト | 電気料金・ガス料金それぞれに0.5%の割引が適用される。 | 関東圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県など) | カテエネポイントの還元、ライフイベントに応じたポイントプレゼント。 |
エネワンでんき | ガスとセットで220円~330円割引。月間電気使用量が年間を通じて600kWh以上の方におトクなプラン。 | 全国 | 毎月の支払いでPontaポイントが貯まる。 |
au | 毎月のガス料金相当額から102円(税込)を割引。ガス料金が102円(税込)未満の場合は、請求金額と同額を割引。 | 関東エリア、北海道、関西、中部 | Pontaポイント還元(ガス料金の5%分) |
NURO | 月額501円割引(NURO光); NUROガス契約で追加200円割引; 合計701円割引 | 北海道、関東、東海、関西、中国、九州 | キャッシュバック6,000円(NUROでんき契約時) |
楽天エナジー | 電気とガスのセットで楽天ポイント還元率が向上(電気料金とガス料金の合計100円につき1ポイント | 全国 | 楽天モバイルとのセット契約で追加のポイント還元(キャンペーン期間中) |
Looopでんき | 電気料金単価が1円/kWh割引(ガスとセット契約時) | 関東エリア | Amazonギフト券プレゼントキャンペーン、電気代割引キャンペーン |
(5)契約期間と解約金の有無を確認する
電力会社を選ぶ際、見落としがちなポイントとしては、契約期間の縛りと解約金の有無があります。
電力プランには、一定の契約期間が設定されているものや、途中解約で解約金が発生するケースがあります。この点は、切り替え時に、しっかり把握しておかないと、思わぬ出費につながることもあります。
こういった契約期間の縛りや解約金が発生するプランというのは、2年契約することでお得になるプランや、切り替え時にキャッシュバックや割引特典を提供することで長期契約が前提になっているケースが多いです。
申し込みの際には、契約期間や解約金などがあるかなども事前にチェックしましょう。
ファミリー・家族世帯向けオススメの電力会社をご紹介
リボンエナジー(市場連動型料金プラン)
- 基本料金0円・燃料費調整額も0円:使った分だけ支払うシンプルな料金体系
基本料金が0円のため、契約アンペア数に応じた固定費が発生しない。40A以上の契約が必要な家族では、毎月1,000〜2,000円のコスト削減が可能。
- 安い時間帯に電気を使えば簡単に節約可能:
マイページのチャート機能で、 電気代の安い時間が30分単位で分かるから、 効率よく電気を使って節約効果アップ! - 7種類の割引メニューで、世帯人数が多い家庭や持ち家、オール電化住宅向けの割引が充実:
割引メニューは、マイホーム割引、ファミリー割(世帯人数に応じた割引。最大5人世帯で -0.55円/kWh)、ペット割引、オール電化割引、太陽光割引、蓄電池割引、EV割引。
Japan電力(段階別料金制プラン)
- 基本料金0円で固定費削減:
基本料金が0円のため、契約アンペア数に応じた固定費が発生しないので高アンペアで契約しているご家庭では、毎月約1,000〜2,000円のコスト削減が可能。
- 使用量が多いほどお得:
電力量料金が2段階に設定されており、400kWh以上の使用量では割安な単価が適用されます。電気を特に多く使う世帯で電気代を効率的に節約できるプラン。 - 高アンペア契約で大家族向き:
大家族の問題は、同時に電気を利用することが多く高アンペア契約が必須。さらに毎月の電気利用料も多くなりがちなので、400kwh未満でも安く、400kwh以上使うとさらに安くなるので大家族向きです。
くらしプランS 料金表
エリア | 基本料金 | 1〜400kWh | 401kWh〜 |
北海道 | 0円 | 30.00円/kWh | 29.00円/kWh |
東北 | 0円 | 27.00円/kWh | 26.00円/kWh |
東京 | 0円 | 27.00円/kWh | 26.00円/kWh |
中部 | 0円 | 27.00円/kWh | 26.00円/kWh |
北陸 | 0円 | 26.00円/kWh | 25.00円/kWh |
関西 | 0円 | 26.00円/kWh | 25.00円/kWh |
中国 | 0円 | 26.00円/kWh | 25.00円/kWh |
四国 | 0円 | 26.00円/kWh | 25.00円/kWh |
九州 | 0円 | 26.00円/kWh | 25.00円/kWh |
Looop電力(市場連動型料金プラン)
- 基本料金0円・燃料費調整額も0円:使った分だけ支払うシンプルな料金体系
契約アンペア数に応じた固定費が発生しない。40A以上の契約が必要な家族では、毎月1,000〜2,000円のコスト削減が可能。
- ピークシフトを活用して効果的な節約が可能:
30分ごとに変動する電気料金単価により、安い時間帯に使用することで効率的な節約ができる - ガスとセット:
関東エリアでは、お得なガスセットプランあり
アルカナエナジー(一律料金プラン)
- 「おうちでんき」プランは、基本料金が0円に設定:
基本料金が0円のため、契約アンペア数に応じた固定費が発生しない。40A以上の契約が必要な家族では、毎月1,000〜2,000円のコスト削減が可能。
- 電力使用量が一律:一律料金で提供している中ではかなりの安さ
例えば、東京電力エリアでは、東京エナジーパートナーズの1段階目(〜120kWh)の一番安い単価と同じ 29.80円で一律料金。※詳細は、下記の表を確認ください。
- キャッシュバック特典あり:
当サイト限定(下記リンクより申込)で、5000円のキャッシュバック特典を実施中。
エリア | 従量料金(円/kWh) |
北海道 | 35.05 |
東北 | 31.95 |
東京 | 29.8 |
中部 | 28.55 |
北陸 | 26.95 |
関西 | 25.45 |
中国 | 28.05 |
四国 | 29.65 |
九州 | 29.05 |
TERASELでんき 超TERASELプラン (段階別料金制プラン)
- 基本料金:例:311.75円(東京電力エリア)で10Aごとの料金 ※20A~60Aのお客さまに限定で10Aから15Aは申込できない。
基本料金は、東京電力エナジーパートナーズのスタンダードプランと変わらない料金設定。
- 使用量が2段階目からお得:
使用量が120kWhを超えると「超TERASEL東京B(東京電力エリア)」の方が1kWhあたりの単価が安い。121〜300kWhでは、-2.14円。301kWh〜では、-4.85円。300kWhを超えると、TERASELの方が単価が安くなり、差額が大きくなります。単純計算では、500kWh利用する場合、超TERASEL東京Bの方が 1,355.20円 お得です。
※段階別料金プランとは別に、市場連動型プラン(TERASELマーケットプラン)も用意されている
- 選べる特典あり:
契約時に7種類の特典から1つ選択できる(楽天ポイント、PayPayポイント、Amazonギフトカードなど)
エリア | 基本料金 (円) | 電力量料金 1段階目 (円/kWh) | 電力量料金 2段階目 (円/kWh) | 電力量料金 3段階目 (円/kWh) |
TERASEL北海道B | 388.96 | 34.4 | 40.44 | 44.01 |
TERASEL東北B | 353.10 | 28.96 | 35.44 | 39.23 |
TERASEL東京B | 300.31 | 29 | 35.34 | 39.26 |
TERASEL中部B | 316.85 | 21.01 | 24.88 | 26.35 |
TERASEL北陸B | 292.82 | 17.13 | 20.87 | 22.51 |
TERASEL関西A | 505.53 | 19.19 | 24.32 | 27.16 |
TERASEL中国A | 742.84 | 31.71 | 38.06 | 40.07 |
TERASEL四国A | 646.43 | 30.66 | 36.08 | 35.3 |
TERASEL九州B | 298.42 | 17.32 | 22.58 | 25.4 |
ファミリー・家族世帯が電力会社を検討する際の注意点チェックリスト
家族世帯が電力会社を切り替える際の注意点について、以下の箇条書きで説明します
- 現在の電気使用量と料金を把握する
検針票や請求書で過去数ヶ月分の使用量と料金を確認しましょう。 - - 家族のライフスタイルに合った料金プランを選ぶ
- 時間帯別料金や季節別料金など、家族の生活パターンに適したプランを検討しましょう。 - 契約アンペア数の見直し
家電製品の使用状況に応じて、切り替え時に適切なアンペア数を選択しましょう。 - 解約金の有無を確認
現在の契約に解約金がある場合、切り替えのタイミングを考慮しましょう。 - 支払方法の確認
新しい電力会社の支払方法が自身のニーズに合っているか確認しましょう。 - 引っ越しのタイミングでの切り替え
引っ越し時は切り替えには良いタイミングだが、一部手続きに時間がかかる場合が事前に確認しましょう。 - 契約期間と更新時期の確認
長期契約の場合、更新時期を把握し、適切なタイミングで切り替えを検討しましょう。 - 付帯サービスやポイント還元の比較
電気料金以外のメリットも考慮して選択しましょう。 - 集合住宅の場合、管理会社への確認
一括受電契約などで個別に電力会社を選択できない場合があるので確認しましょう。